まず、火災報知器の設置にあたり機種選びから始まりました。
ホームセンターの島忠などでは1台2980円〜売ってますが、ただ付ければいいとか、電池の持ちが長ければ良いというものではありません。
法令化により渋々と取り付ける人も多いと思いますが、まずは身の安全確保のためであることを第一に考えて下さい。
火災の怖いのは火に包まれることよりも、煙に巻かれて逃げ場を失うことです。
そのためには何が一番重要か、それは火を出さないことはもちろんですが、火災の早期発見です。
自分だけは大丈夫と思っていても、火災の一番の原因である放火や隣の家からの延焼、コンセントなどからのトラッキング現象による発火、
また台所からの失火など、どんなに注意をしていても防ぎきれないことも多々あるのです。
そこで、我が家ではどのようにすれば一番安全であるかを考えました。
家の周りに燃えやすい物を置かないことや、夜間の外灯の点灯はもちろんですが、火災報知器の設置です。
火災報知器は電池やゼンマイで作動するものから、AC100V電源を使用するものまであります。
また感知方法も煙や熱から炎やCO2の感知までと幅広くあります。
失火の際にいち早く動くのはCO2と言われていますが、どんなに良い警報器であっても住人に異常を知らせなければ意味がありません。
マンションのように横に広い家や、一戸建てでも郊外に建つ平屋の一階部分だけであれば通常の火災報知器で事足りるでしょう。
しかし、我が家のように土地の高い地区では坪面積が狭く、どうしても床面積を取ろうと3階建て住居が当たり前になってきました。
その3階建て住居ですが、最近の家は気密性が非常に良く、階が違えば、もう叫んでもなかなか聞こえません。
ましてや、TVや音楽が掛かっていては火災報知器のブザーなんて70dBであっても聞こえようがありません。
(我が家の例だと、外出の際に言い忘れたことを、玄関から2階に居る妻にインターフォンで呼び出して会話をすることもしばしばです)
もし、1階の火災報知器が反応していても、3階はもちろん2階であっても聞こえないことが充分にあり得ます。
火災の時間が深夜であれば、人によっては起きない人もいるでしょう。
だったら、どうすればいいのか、それは寝室や常に聞こえる部屋に増設スピーカー等を設けることです。
しかし、これから建てる家ならばともかく、既存の家に全ての火災警報器から増設用スピーカーの配線を引くことはほぼ不可能でしょう。
そこで、それに適した火災警報器が松下電工、東芝ライテックと相次いで発売されているのを知りました。
そう、設置している火災警報器のどれか1つでも異常を感知すると、全ての警報器が鳴って異常をお知らせする連動タイプです。
松下電工
http://biz.national.jp/Ebox/jukeiki/new_house.html
東芝ライテック
http://www3.toshiba.co.jp/tlt/new/haisen/kahou/kahou.htm
我が家の場合、設置にあたりずいぶんと迷いましたが、値段の安い松下電工よりも設置の規制が少ない東芝ライテックを選びました。
理由は松下電工の場合、送り配線しか出来ないため、スタートとゴールを決め、最初と最後の火災警報器を除いて全ての警報器から4芯
の配線を出すことになります。
しかし、東芝ライテックの場合は、分岐配線が可能ですから、どこからでも継ぎ足し配線(分かりやすい表現ではタコ足配線)が出来、火災
警報器から出る配線は常に2芯で済みます。
前置きが長くなりましたが、我が家の場合、写真のように電話線用のために配管されているCD管を利用して設置することにしました。
これ、もともとは家庭内LANを構築するのでヒントを得たものです。
もともとは、至るところがこのようなコンセントパネルであったのですが…。
ある部屋(左)はLAN端子を設置、そしてもう一つの別部屋(右)はLAN端子におくるためのケーブルを2本CD管から引き出しています。
写真(右)の奥下に見えるオレンジ色のが、直径13mmほどのCD管です。
そして、東芝ライテックの火災警報器なので、このような並列接続が可能なのです。
(我が家では全ての部屋に電話線を引いているので、電話線4芯のうち未使用の2芯を火災警報器用に転用しました)
では、設置した写真を1階から順に見ていきましょう。
1階の部屋は空き部屋となっているため、火災警報器の電源はエアコン用の電源から供給しています。
東芝ライテックの場合、子器5台でも親器は1台でも良いので、親器はこれ1台のみです。
(松下電工のは親機1台に付き子機4台までとなっています)
配線順は異なりますが、1階から2階へ上がる階段の踊り場にも設置しています。(条例により義務化)
1階での火災発生を寝室のある2階や、避難が困難な3階に知らせる重要な役割を担っています。
ダイニングキッチンにある、唯一の熱タイプです。(他のとセンサーの形状が異なるので一目瞭然でしょう)
寝室へはこれです。
当初はダイニングキッチンと兼用で考えていたのですが、冬はふすまを仕切るので別途追加で設けることにしました。
これら2台への配線は、ここから床のカーペット下を這わしており、配線はすっきりしています。
ちなみに、ここも当初は電話のみだったところにLAN端子を設けています。
ここから3階に上がっていきましょう。
消防法としては寝室に使用していないため設置義務は無いですが、3階はただでさえ避難に時間を要すために設置しています。
また、夜間は私がステレオやTVを付けているので、1階や2階の異常をいち早くキャッチするためのものです。
(もし警報のためだけならば多少安い熱タイプの設置も可能でしょうが、熱よりは煙の方が安心と考え煙タイプにしました)
最後の一つがこれです。
実際にはここがスタート地点でもありますが、松下電工のではないため電源は不要です。
(この部屋だけが天井が高い屋根の部分なので、傾斜のギリギリ下に取り付けています)
ちなみに、これら全ての配線の取り方はコンセントパネルからです。
(丸穴のテレホンチップや十字のゴムブッシングでもいいのですが、ほこりの侵入を防ぐため屋根タイプのにしました)
編集後記
これらは全て既存のCD管を使うことにより、露出配線となるのはコンセントから警報器間のみです。
その間の配線が気になる方は、市販の配線カバー等を用いるといいでしょう。
壁への穴明けに抵抗のある方は、私のように時計用壁掛けフックを利用すると壁への損傷が少なくて済みます。
ちなみに、これらに掛かった費用は約43000円です。
本体は全て32%引きで知り合いから仕入れられましたが、コネがなくても6万円チョットくらいだと思います。
これが安いか高いかは本人が決めることですが、私的には安全を買った安い買い物だと思います。
また、火災警報器は使用期限が10年(CO2タイプは5年)となっていますので、永久物ではないのでご注意して下さい。
ところで、私の購入した警報器は、通電中は緑のランプが点灯し、寿命が来ると点滅や音でお知らせするそうです。
通電していないと緑のランプが点灯しませんし、配線がショートしている場合は音で知らせてくれるそうです。
また、松下電工のは有極性ですが、東芝ライテックのは無極性ですので、後者の方が初心者にも安心です。
設置方法や、既にあるCD管にケーブルを通す場合のノウハウなどは、遠慮なくお問い合わせください。